私は作業療法士です。似ている職業として理学療法士がよく挙げられます。

大きな病院に行くと言語聴覚療法士という職業の方もいて、リハビリにまとめられるのはこの3職種が多いです。

言語聴覚療法士は、言語、聴覚と付くように主に口のこと耳のことに関わります。具体的には口腔ケアや食べ物を食べる嚥下、補聴器の調整や脳神経外科であれば高次脳機能障害などに関わります。

体を大きく動かすことは少なく、病院では個室に入ってリハビリをすることが多いので比較的理学療法士や作業療法士とは区別されやすいです。

それと比較し、作業療法士も理学療法士も大きな訓練室で体を動かします。時には手を動かしたり足を動かしたり…

病院で働いていると、患者さんにもご家族さんにも何度となく「作業療法と理学療法は何が違うの?」と聞かれました。他にも自分の職業を説明するときに理学療法士の方が世間の認知度は高いので、「理学療法士なら知ってるけど何が違うの?」と必ずと言っていいほど聞かれます。

仕事の内容として、これは作業療法士しかできない、これは理学療法士しかできないという事がほとんどないので毎回例を挙げるのが難しいです。

理学療法士はスポーツなどのケガの後のリハビリで関わったことがあったり、スポーツトレーナーとしてテレビで見たことがあったりとまだ認知度が高いです。しかし作業療法士は脳神経外科や比較的高齢の方の施設にいることが多いので、私の知人世代や初めて入院した人にとっては新職種のようです。

 
では実際の違いは何でしょうか。

 

発展した経緯としては、作業療法士は精神障害領域から、理学療法士は身体障害領域からです。そのため、精神科病院には作業療法士はいますが理学療法士はいません。

また、作業療法士は名前の通り作業を通して能力を向上するよう働きかけるのに対して、理学療法士は筋肉や関節構造に直接働きかけたり物理療法を使用します。

このような違いはありますが回復期病院に勤務していた私が感じたことは、作業療法士は日常生活動作(応用動作)に関わり、理学療法士は基本動作や身体構造に直接関わるということです。
具体的には、理学療法士が固まった腕の関節を柔らかくして筋力トレーニングをしたら、作業療法士がその腕を使って服を着たり文字を書く練習をするといったところです。

他にも、患者さんができなくて困っていたことがあったら、理学療法士は身体機能の面から関わり作業療法士は道具を工夫する方面から関わるという特徴も見つけました。
これはトイレで立ち上がれない患者さんがいたら、理学療法士は足の筋力トレーニングをしよう、作業療法士は使いやすい手すりを付けようと考える傾向にあるということです。

 

作業療法士と理学療法士には重なる部分も多いですが、それは必要とされていることに合わせて臨機応変に動けるという利点でもあります。学校の授業は半分以上は違う内容を学ぶので、外から見ると違いが分からなくてもそれぞれの違う視点や技術、理論を持って患者さんに関わっているという認識を持つことも大切です。