私は回復期病棟で作業療法士として勤務していました。作業療法士について少し知識のある人なら、老人ホームやデイサービスで前に出てレクリエーションの進行をしている様子を思い浮かべるかもしれません。

 

作業療法士がリハビリしている場所は大きく分けて3つです。先ほど挙げたような維持期と呼ばれる在宅や施設、病気をしてすぐの急性期病棟、そして私が勤務していた一番回復する時期に集中してリハビリをする回復期病棟です。

 

回復期病棟は、症状や状況別に入院できる期間が国から定められており、多くは3~6か月です。そのためいつも時間に追われながらリハビリを進めていました。

ある程度慣れてくると、どの時期に何をしておかないといけないか分かってくるのですが、新人の頃は気付けばもう間に合わない時期まで来ていたということがしょっちゅうでした。

例えば、家に帰るためにはトイレに手すりの設置が必要だとすると、まずトイレの壁に手すりが付くか見てもらったり工事をしたりするのに1週間、介護保険の補助金を利用するならその申請、さらに介護保険そのものの申請や審査などをしているとすぐに1~2か月経ってしまいます。

様々な必要期間を予測しながら前倒しで動くことがとても大切であり、し残していることはないかいつもひやひやしていました。

 

他にも、入院期間が決まっているため入院中にあれもこれもはよくばれません。そのためやりたいことに優先順位を付ける必要が出てきます。患者さんの状況によっては理学療法士とほとんど同じような事をする事がありました。

例えば、後1カ月の入院期間のうちにどうしても安全に歩けるようになる必要がある場合、理学療法士と並行して歩行訓練をしました。その場合は、理学療法士の助言を受けて行うこともありますが、なるべく作業療法士ならではの視点で歩行訓練を行うよう努めていました。

回復期病棟では、限られた期間でのリハビリのため逆算しながらスピーディーなリハビリ計画が必要となります。その他、患者さんのゴールに向かって優先順位を付け、柔軟な対応が必須です。

 

補足ですが、私が挙げたような回復期病棟ならではの作業療法士の働き方は、学生の頃のイメージとは離れていることも多いので維持期へ転職する方もちらほら見かけました。資格があるので自分の理想を求めて職場を変えていくのも1つだと思います。